「福祉のなかま」今月の主張
はたらく仲間にとどけましょう
「福祉のなかま」が新しく生まれ変わりました
2000年5月号
結成十四年目をむかえた福祉保育労は、中央本部機関紙「福祉のなかま」を130号(今号)から全面改訂し、いっそうの紙面の充実に努めていきます。
今日、わが国の労働組合の組織率は年々低下しており、大企業や公務職場に労働組合はあっても圧倒多数の小零細職場は未組織状態にあります。このような労働組合の組織状況を反映して、零細小規模である民間福祉職場の圧倒多数も未組織の状態です。その点では小零細の民間福祉職場を組織する福祉保育労は、全国組織といっても決して強大な全国組織として存在しきれていません。
ところで、近年の国民の間にひろがる切実な福祉要求と政府の福祉「民営化」路線の下で、民間福祉職場とそこにはたらく労働者は急増しています。そこでは零細な職場だけに経営も不安定であり、労働条件も低賃金で劣悪です。このような民間福祉職場の状況のもとでは、真に国民の福祉を守っていくことにも限界があります。
国民の福祉を守るためにも、そして労働条件の向上や零細経営の安定化をはかる上においても、いま福祉保育労のはたす役割はかつてなく重要なものとなっています。この点で、中央本部機関紙「福祉のなかま」の紙面をいっそう充実させ、労働組合の生きたすがたを組織の内外に伝えていくことは重要です。
紙面の充実を、全国の組合員の生きいきとした活動の結集でつくっていきましょう。そして、組合員だけでなく民間福祉・保育の職場にはたらく労働者を代表する機関紙として、全国の未組織職場にはたらく仲間にとどけていきましょう。
中央本部機関紙「福祉のなかま」は、毎月一日付けで定期発行します。乞うご期待。
「福祉のなかま」今月の主張
労働者・国民の願いが実る政治への転換めざして
2000年6月号
新しく発足した森連立内閣(自民・公明・保守)の下で、6月25日投票日予定の総選挙が予定されています。
21世紀を目前にした今度の総選挙の最大争点は、国民生活が悪化の一途をたどる自民党を軸とした連立政権の存続を許すのか、あるいは国民生活を守るための新しい連立政権実現をめざすのかにあります。
九三年に自民党単独政権が崩壊して以降、この間、種々の組み合わせの連立政権が登場してきました。しかし、それらの連立政権の行ってきたことは、自民党単独政権ではできなかった悪政の連続でした。とりわけ、昨年公明党が連立政権に加わって以降、「戦争法」「国旗・国歌法」「盗聴法」「年金改悪法」等々、その悪政ぶりはいっそう加速化しています。私たち社会福祉関係者に直接関係する社会福祉事業法等「改悪法」共産党が反対したのみで、短時間の審議で成立してしまいました。公的社会福祉制度の拡充や「公共事業50兆円、社会保障20兆円の逆立ち予算」を変えるためには、どうしても政治の転換が必要です。
福祉保育労は今度の総選挙にあたり「福祉拡充のためにも政治を変える」課題をかかげ、大いに取りくむことを呼びかけます。取りくむにあたっては、
@組合員や職員の政党支持・政治活動の自由を守るとともに、業界の「ぐるみ選挙」に反対します。
A「自・公・保」連立政権にかわる「国民が主人公」の連立政権実現にむけ、革新勢力の躍進をめざします。
Bすべての地本・支部・分会で「自・公・保」連立政権の悪政実態について学習と討論を組織し、職場と地域から「政治を変えよう」の世論をまき起こしていきます。
「福祉のなかま」今月の主張
総選挙結果・民意は確実にうごいている
2000年7月号
21世紀の日本の将来を左右する、総選挙は6月25日に行われました。結果は、与党271議席にたいし野党は209議席と与党は65議席も減らす一方で、野党は議員定数法改悪で20議席も削減された下で四六議席も増やしました。
この選挙結果をみたとき、『民意は確実に動き出している』と多くの国民は実感しているのではないでしょうか。選挙前の世論調査では、自民党と公明党・保守党の三党連立政権への支持率は約20%であり、多くの国民は不支持を表明しました。今回の与党の大幅議席減は、まさにこのような世論結果の反映です。
にもかかわらず、では、いったい与党の「絶対安定多数」の結果は、なぜ生じたのでしょう。その答は明確です。それは、財力にものをいわせる自民党と宗教政党として強固な組織力をほこる公明党の、かつてない“協力体制”による選挙戦術以外の何ものでもありません。
彼らの戦術とは、選挙そのものの品位を汚し、国民を愚弄するような数十種・数十億枚の『反共デマ宣伝』ビラを全国的・組織的に大量配布するというものでした。
ところで選挙前の各種マスコミ調査は、「日本共産党が大幅に伸びるであろう」事をさかんに予測しました。ところが、選挙結果ではすべての野党が議席増の中で、日本共産党のみが議席を減らしました。このような選挙結果は、日本共産党のかかげる政策への国民の不支持というより、与党の民主主義を蹂躪し陰険で異常なデマ宣伝の結果以外の何ものでもありません。
世界を見渡せば、21世紀は平和と民主主義、社会保障制度の発展する世紀です。それに逆行する「自公保」連立政権は、いつまでも続くものではありません。歴史の大道を、しっかりと歩もうではありませんか。
「福祉のなかま」今月の主張
夏休みを利用しておおいに学ぼう
2000年8月号
第三四回全障研開会(7/28〜30・神戸市)、第三二回保育合研(8/4〜6・横浜市)、人間発達研究所主催・第六回発達保障セミナー(8/19〜20・大津市)、第六回社会福祉研究交流集会(8/26〜28・名古屋市)等々、7月から8月にかけて、福祉労働に直接かかわる数々の全国的な研修集会が開かれます。第四六回日本母親大会(7/29〜30・東京)、原水禁世界大会(8/2〜6・広島市)等、平和や民主主義にかかわる全国集会もあります。
そして、福祉保育労でも、「福祉労働者の平和集会」(8/5・広島市)青年福祉労働者の集い「なつわか。」(8/19〜20・岐阜県恵那市)等々を予定しています。
毎年、夏休みを利用して、こうした全国集会が各地で開催されてきました。
今日、福祉現場や私たちの毎日の生活をみたとき、これまでに体験しなかった数々の重要で深刻な問題に突きあたることがしばしばです。国民生活の急激な変化を反映して、福祉問題は深刻化し、複雑化しています。これまでの経験だけで対応できないような利用者・児への処遇問題を、全国のなかまと語りあい研鑽することは本当に重要です。福祉制度そのものが戦後半世紀たったいま根本から改悪される時代、21世紀にむけてのわが国の社会福祉や社会保障制度のあり方と、国民の側にたつ福祉制度と運動についても問われています。
そして社会福祉の土壌となる平和や民主主義も、政治や民主主義も、政治の歪みによって根本から危機的状態を呈しています。今日の政治のあり方や平和と民主主義を、国民のだれもが考えないわけにはいきません。
福祉にたずさわる者にとって、あまりに学ぶべきことの多い夏休みではないでしょうか。
「福祉のなかま」今月の主張
福祉保育労を大きくして21世紀の福祉の展望をきり開きましょう
2000年9月号
9月16日から3日間、福祉保育労定期全国大会が開かれます。20世紀最後の定期大会であり、21世紀の運動方針を決める重要な定期大会です。
長期につづく深刻な不況と民間経営のリストラ・「合理化」の下で、今日失業者は350万人にのぼり、国民生活は悪化の一途をたどっています。将来不安をかかえて中高年労働者の自殺が増え、男性の平均寿命が低くなる現象すら起きています。
そんな中で、福祉職場には深刻で複雑な国民の福祉問題が、次々に持ち込まれてきています。これまでの経験だけでは対応できないような、利用者処遇の困難さに職員は忙殺され、深刻な健康破壊が広がっています。
さらに重要なことは、国民の福祉要求と福祉問題が切実さを増しているにもかかわらず、国や自治体は社会福祉の公的責任を根本から破壊・放棄していることです。総選挙直前の国会で成立した社会福祉事業法等「改悪」法は、福祉「民営化」をおしすすめるために成立した法律です。
福祉労働者は、今日の深刻な福祉問題への対応と、国や自治体の公的福祉制度破壊による労働強化という、まさに二重の困難さに直面しています。
では、いったいわが国の社会福祉とそこに働く福祉労働者に、21世紀の展望はあるのでしょうか。結論から先にいえば、展望は確実にあります。第一は福祉要求の切実さは国民の中に、広範囲に広がっていることです。そして、第二に民間福祉職場と福祉労働者が急増していることです。この急増する福祉労働者を組織し、労働組合の社会的力を大きくし、国民の切実な要求運動と結び合えば、21世紀の豊かな福祉は確実に実現できるのではないでしょうか。
「福祉のなかま」今月の主張
「全労連」「社保協」署名を11・17、18全国行動に持ちよりましょう
2000年10月号
臨時国会がはじまりました。
政府と森内閣は、この国会で、高齢者医療費の自己負担に一括の定率制を持ち込む医療保険制度の改悪をはじめ、一時金の削減を含む国家公務員給与法の改定、参議院比例代表制に「非拘束名簿式」を採用する公職選挙法の改悪、ゼネコン向け公共事業費積み増しの補正予算などを強行しようとしています。
また、10月からは介護保険料の徴収も開始されており、これらが国民生活の困難や政治のいっそうの反動化をおしすすめることは明らかです。
福祉保育労第16回定期大会では、こうしたもとで取りくむ2000年秋年闘争で、@社会保障総改悪反対、介護保険抜本改善、公的福祉・保育制度の拡充、A年末一時金闘争と2000年賃金確定の推進、B「福祉ウェーブ(仮称)運動」や2001年春闘の準備、C1万5千人の「福祉保育労」建設をめざす組織拡大、などを柱とする方針を決定しました。
具体的には全労連が呼びかける「雇用確保・不況打開・増税反対・社会保障充実を求める署名」と、社保協による「介護保険改善、健康保険改悪反対の署名」を中心に保育や障害問題での署名運動等にも積極的に取りくみ、「福祉拡充、生活改善」の世論を広げることが重要です。
また、未組織福祉労働者の生活実感や実態、要求をしっかりつかんで2001年春闘要求を確立し、来春からの「福祉ウェーブ(仮称)運動」の発展を期する上でも、「働くみんなの要求アンケート」と「賃金・労働時間実態調査」への取りくみ強化が大切です。
10月15日から12月15日は組織拡大月間です。秋年のあらゆる活動を組織拡大に結びつける意識的な取りくみを強めましょう。
「福祉のなかま」今月の主張
自公保の暴挙許さず11・17〜18中央行動を成功させよう
2000年11月号
自公保与党は、参議院選挙制度特別委員会に続き、10月19日の本会議で票の横流しを制度化する「非拘束名簿式」を導入する公職選挙法改悪案を強行可決しました。
法案の趣旨説明から採択まで与党が一方的にごり押しする暴挙は、国会史上でも異例なことで、国民の支持を失いつつある与党が追い詰められている証拠です。「来年の参議院選挙は現行の拘束名簿式比例代表制を維持する」との参議院選挙制度協議会の合意を踏みにじり、数の暴力で押し切るという暴挙を許すなら、議会制民主主義は成り立ちません。
また、与党は、刑事罰の対象年齢を現行の16歳から14歳に引き下げるなどの少年法「改正」案、高齢者の医療費負担を定率制にし、負担増を強いる健康保険法改悪案、病床数の削減や看護婦配置などの基準緩和を狙う医療法改悪案など強行しようとしています。
与党の暴走に歯止めをかけるには、議会制民主主義破壊の暴挙を糾弾するとともに、職場、地域から「雇用確保・不況打開・増税反対・社会保障充実」「介護保険の緊急改善・医療改悪反対」の世論を広げ、「11・17〜18中央行動」を大きく成功させることです。
いまとりくんでいる「雇用確保・不況打開・増税反対・社会保障充実を求める」署名と「介護保険改善、健康保険改悪反対」の署名を中心に、保育や障害者問題の署名と福祉に働くみんなの要求アンケート運動を思いきり広げましょう。
この間の福祉制度「改革」で賃金・労働条件の引き下げ、職員削減、パート・非常勤労働者の増大、労働強化がすすんでいます。職場から自公保与党に対する怒りと要求をもちより、中央行動を成功させようではありませんか。
「福祉のなかま」今月の主張
自民党政治を終わらせ、福祉が花開く21世紀に
2000年12月号
あと数日で二十一世紀です。広島、長崎に惨禍をもたらし、いま尚人類の生存を脅かし続けている核兵器。戦前の天皇主権の専制政治のもとで無権利状態におかれていた国民は、国民主権の民主的な政治体制がつくられ、基本的人権をかちとりました。しかしいま、日本の大企業と政府は牙をむいて労働者、国民に襲いかかり、反動勢力は世界に誇れる平和憲法を改憲しようとしています。
長年続いた大企業中心の政治が、国民のくらしや雇用を脅かし、日本経済を荒廃させ、社会福祉・社会保障の土台を根本から崩しています。その当然の帰結として自民党は、この10年間で総選挙での得票率を大幅に減らし、自公保与党の臨時国会における数の横暴は森内閣の不支持率を70%台に急増させ、自民党政治の存在そのものを脅かしています。
国民の切実な福祉要求を逆手にとった政府は、公的責任を放棄し、福祉の民営化路線をしゃにむすすめ、子どもたち、高齢者、障害者の人間らしい生活と発達を保障する福祉労働を商品化し、福祉労働の誇りと喜びを奪っています。
私たち福祉労働者が疲れ果て、ゆとりと笑顔を奪われて、利用者の権利を守る処遇や国民の福祉要求に応えることができるでしょうか。21世紀を働く者と国民が大切にされ青年や子どもたちが希望のもてる社会に、社会福祉・社会保障が花開く時代にするためには自民党政治を終わらせるしかありません。
この間の社会福祉制度「改革」により、福祉現場はたいへんな事態になっています。日々の厳しさに流されることなく、しなやかに、したたかに福祉の未来を築くたたかいを元気にすすめたいものです。