《談話》

2000年人事院勧告に抗議する

2000年8月18日
全国福祉保育労働組合
書記長 桑本 文幸

1)8月15日、人事院は国会と内閣に対し、国家公務員の給与改定等に関する勧告と報告を行った。
  その内容は、勧告において、@俸給表の改定は見送る(2000年4月のまま据え置き)、A僅少の官民較差(0.12%、447円)は扶養手当の一部改定に充てる、B期末・勤勉手当(一時金)の年間0.2ヶ月の削減というものである。 また、報告においては、@12地域での改悪を含む調整手当の「見直し」、A職務・能力・実績、成果に応じた給与システムや人事管理制度の改革をまとめた。

2)この勧告によって公務員の賃金は、年収ベースで2年連続のマイナスとなった。特に一時金は、平均で6万9千円(1.1%)という大幅な削減となり、昨年度の0.3ヶ月(平均9万5千円)とあわせると2年間で0.5ヶ月、16万円以上が切り下げられたことになる。 これらは国家公務員の生活はもちろんのこと、人事院自身が「直接的な影響下にある」と認める750万人の関連労働者、さらには、間接的に影響を受けるとされる年金受給者など3500万人以上の国民生活にいっそうの困難を押しつけるものである。私たち福祉労働者も「750万関連労働者」の一員であり、それら労働者の生活と仕事の実態を省みない今勧告に強く抗議する。

3)今日、民間福祉労働者の賃金「見直し」=改悪は、本年4月の介護保険制度の実施、5月末に強行された社会福祉事業法「改正」などを背景に、急速に広がっている。しかも、その「見直し」攻撃は、成果・成績主義とは最も無縁であるべき福祉労働に人事考課を持ち込み、「能力給」導入の方向も含んですすめられている。
人事考課や「能力給」が、民主的で適切な労働集団の形成を阻害し、縦のラインに沿った労働者の管理、統制につながることは明らかである。今回の報告での「職務・能力・実績、成果に応じた給与システムや人事管理制度の改革」による公務労働における官僚的統制の強化に反対すると共に、それらを利用した福祉労働分野への同様のシステムの導入には、断固反対する。

4)福祉労働者は、国民の介護・福祉要求の増大を反映し、急増を続け、その数は、すでに100万人に及び、今後さらなる確保の必要が見込まれている。
人事院は昨年の勧告で、これらの状況も背景に「福祉マンパワー」確保対策の一環としても「福祉職俸給表」を新設した。この間も、対応職種や初任給格付け、昇格基準等の改善を要望してきたが、引き続き民間福祉労働者の要求や意見も聞き、改善に努めるよう強く求めるものである。

以上


Last modified: Thu Oct 25 14:39:14 JST 2001